着床前(受精卵)染色体検査「PGT-A」について

PGT-A

 

当院はPGT-Aの実施施設として、
日本産科婦人科学会より認定を受けています。

 

PGT-Aとは?対象となるのは?

体外受精や顕微授精で得られた受精卵(胚盤胞)の細胞の一部を採取(生検)し、その細胞の染色体数の異常の有無を調べるのが着床前診断です。
対象となるのは、「反復して胚移植不成功の既往がある方」「過去に2回以上の流死産歴がある方」となります。

▼詳細は下記の日本産科婦人科学会の動画がよく分かります。▼

不妊症および不育症を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-A・SR)|公益社団法人 日本産科婦人科学会

なぜPGT-A が必要なのか?

妊娠・出産に至らない(=着床不全・流産)の最大の原因は、偶発的な受精卵の染色体数の異常によります。
受精卵の染色体数を調べ、数に異常がない受精卵を移植することで流産を減らし、胚移植1回あたりの妊娠率や出生率を高めることが期待されています。

方法

採卵・胚培養をおこない、胚盤胞まで成長した段階で、栄養外胚葉細胞(のちに胎盤になる部分)の一部(5~10 細胞程度)を採取します。
胚盤胞は一旦凍結保存します。

採取した細胞は検査機関にて解析し、結果は3~4週間後に患者様に報告できます。

妊娠率と流産率

(Fertil Steril 2018; 110: 113-121 / Reprod Med Biol 2023; 22: e12518)

青のグラフ:PGT-A実施の凍結胚移植

オレンジのグラフ:PGT-Aなしの凍結胚移植

緑のグラフ:PGT-Aなしの新胚移植

42 歳以上になるとPGT-A なしでは妊娠率は10%程度ですが、PGT-A ありでは他の年齢層と等しく70%程度の妊娠率があります。
なお、PGT-A ありの胚でも流産率は約10%あります。

PGT-A のメリット

 

胚移植1回あたりの妊娠率が上がる。

 

流産率が下がり、身体的精神的ストレスが緩和される。

 

妊娠成功までにかかる移植周期回数を短縮できる可能性がある。

 

染色体異常胚を移植しないことにより、出産に至ることがない胚移植周期を回避することができる。同時に、妊娠反応陽性→流産という時間的なロスを回避できる。また、その移植にかかるコストをかけずに済む。

PGT-A のデメリット・留意点

 

妊娠率は100%ではないし(実際は60-70%)、流産率も0%ではない(実際は10%)。

 

生検手技により受精卵にダメージを与える可能性がある。

 

出産の可能性がある正常胚を移植に適さないと判断し、破棄してしまう可能性がある(少数の採取細胞数を解析するため、診断の精度には限界があるため)。

 

高頻度モザイク胚など、解析結果によっては移植すべきかどうか判断に迷う場合もある。

 

移植する胚が得られないことがある。

 

出生児と結果が不一致となることがありえる(1-3%程度)

費用

PGT-Aを実施するための資材費 22,000円(税込)
検査する胚盤胞1個につき 66,000円(税込)

⇒例)1回の採卵で胚盤胞5個に対してPGT-Aを実施する場合:22,000+66,000×5=352,000円

PGT-Aを希望する場合には、採卵・胚移植通して、検査・薬剤も全て自費治療となります。

実際にどのような方に勧めるの?(当院の見解)

 

①年齢が若く、着床不全の検査なども網羅的に実施したが妊娠しない方

 

⇒(夫婦の染色体を調べるのは前提)経験的に、女性年齢からは想像できないほど染色体正常率が低い方が稀におられます。
大変苦労している場合は、そこに問題がないかを確認するのはありです。

 

②年齢が高めで、AMHも高く、胚盤胞到達数が多い方。

 

⇒胚盤胞が多く取れても、胚染色体正常率が低いために、染色体異常胚を移植すること・その先に流産することにより時間的なロスが生じやすいです。染色体異常胚を省いて、時間的なロスを減らすことにより出産までいきつくことが期待できます。

 

③年齢が高めの方(迷います)

 

⇒「その個人にとって」異常胚を省くことによる時間的なロスを減らすメリットと生検リスクや解析の不確実性といったデメリットのどちらが大きくなるのか。正直、選択には運の要素もあります。

赤ちゃんの性別はわかりますか?

日本産科婦人科学会の見解・細則に従い、性別はお伝え出来ません。

必ず元気な赤ちゃんが産まれますか?

PGT-A は胚の染色体異数性を調べる検査のため、染色体異常以外に起因する流産や赤ちゃんの病気など はわかりません。

当院で実際にPGT-A を行う場合の流れは?

 

外来でPGT-A 希望の旨をお伝えください。当院のPGT-A に関する説明資料をお渡しします。

 

当院の説明資料に加え、日本産科婦人科学会の動画を試聴の上、チェックシートも記載して頂きます。

 

その上で、カウンセリングを行い、夫婦でPGT-A 希望された場合は、夫婦の染色体検査(1 人33,000 円・他院結果持ち込み可)を行います(解析に影響を与える場合があるため)。

 

自費治療での採卵→胚培養→PGT-A を実施します。

 

3-4 週間後に、結果説明を行います。特殊な結果の場合は、大学病院の遺伝診療部のカウンセリングを 推奨することもあります。

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